オーストラリアやカナダなどの欧米諸国へ留学や、ワーキングホリデーを目指している人にとって、“2カ国留学”は気になる話に聞こえるかもしれません。
従来の1カ国のみの留学・ワーキングホリデーに比べて、英語力の向上の面、経済的なメリット、欧米での生活の質の向上など様々な面で、2カ国留学には大きなメリットがあり、今ではそれに疑いの余地はありません。
しかし、誰もが2カ国留学の形を採ればよいとは限りません。メリットだけでなくデメリットもあるため、人にとっては“決定的に合わない”ということも生じてしまうため、それらをしっかり考慮して選ぶ必要があります。
この記事では2カ国留学のメリットとデメリットについて、他では聞けない本当のところをお伝えします。
1. 2カ国留学とは?
従来は希望する国にのみに渡航する“1カ国留学”が一般的でした。特にオーストラリアやカナダなど欧米諸国のいずれかに留学して語学学校に通ったり、ワーキングホリデーでの生活を送るのが通常でした。
しかし、この従来の方法では、英語力不足が原因で、現地での生活に支障が出たり、当初のイメージと異なる生活を送ることになったりする問題がありました。「留学したけど英語は話せない」「ワーホリで1年いたけど英語はあまり話せない」という残念なエピソードは、この従来の1カ国のみの留学で起こる失敗によるものです。
10年以上昔の2000年代になりますが、韓国人留学生を中心に「英語力を安価にかつスピーディーに伸ばすことができるフィリピン留学をしてから欧米諸国へ渡航する」という考えのもとに“2カ国留学”を行うようになりました。
これが、2010年以降になると日本でも紹介されるようになり、近年ではワーキングホリデーをする人の多くが、まずは1カ国目にフィリピン留学をし、次に本番として憧れのオーストラリアやカナダを訪れる2カ国留学のスタイルをとっています。
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2. フィリピン留学と欧米留学の違いは?
単純な価格の違いと思われがちですが、授業の手法、授業時間、学校のサービスに大きな違いがあります。
フィリピン留学と欧米留学の比較
フィリピン留学 | 欧米留学 | |
---|---|---|
授業形式 | マンツーマン 少人数グループ | 大人数グループ |
講師 | フィリピン人講師 ※一部ネイティブ講師 | ネイティブ講師 |
授業時間 | 1日8時間以上 | 1日4時間 |
学生の国籍 | アジア人が中心 | 世界各国 |
学生の英語力 | 初級者~中級者が多い | 初級~上級まで満遍なく在籍 |
滞在方式 | 学生寮・ホテル | ホームステイ・シェアハウス・学生寮 |
家事全般 | 食事、洗濯、掃除は学校にお任せ | 基本的に自分で行う |
学校のサポート | 学習面・生活面 | 学習面のみ |
通学時間 | 0分 | 20〜60分 |
就労 | ✕ | ◯ (ビザや国による) |
様々な海外経験 | 限定的 | 豊富 |
最も得られるもの | 英語力 | 異文化交流や海外経験 |
フィリピンと欧米の語学学校は、英語のレッスンを行うという目的は同じですが、それ以外はまったく異なると言っても過言ではありません。
簡単にまとめると、フィリピン留学は「初級者が最短で英語力が伸ばせる」ことがメリットなのに対して、欧米留学は「ある程度英語ができる人が、より高いレベルを目指したり、異文化交流や海外就労経験が得られる」ということがメリットになります。
各々に強みが異なることから、この2つを合わせることで、学習面でも経済面でも最も効率のよいパッケージを目指したのが“2カ国留学”になるわけです。
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3. 2カ国留学のデメリット
元々オーストラリアやカナダなど欧米諸国への留学をメインとして考えている人向けのプランのため、フィリピン留学が決定的に合わない人にとっては向かないことでしょう。
3-1. 学校の特徴が合わない人もいる
フィリピン留学の特徴や環境を好まない人もいます。
- 朝から夕方 (学校によっては夜間も)まである豊富な授業がきつい人
- 欧米ネイティブから教わるべきだと考えている人
- 全寮制の生活が苦手な人
- 東欧や南米などアジア圏以外の学生と学びたい人
など
フィリピン留学のコンセプトは、「英語力強化のための合宿」といっても過言ではありません。自由にマイペースに生活できる学校もなくはありませんが、基本は勉強三昧になる生活を送ることになります。
3-2. フィリピンの環境に合わない人がいる
フィリピンは発展途上国となるため、学校から一歩外にでれば先進国とは異なる環境になっています。
- 雑然とした街並み
- 渋滞が酷いことも
- 騒音がうるさいことがある
など
語学学校は日本や韓国、台湾などの学生をメインとしているため、それらの国々の人が快適に生活できるクオリティになっており、学生寮においても同様です。
しかし、学校の外になるとどうすることもできません。いくら綺麗に開発されたエリアで生活していても、それ以外の場所に行かないことも難しいため、「東南アジアには観光旅行でも行きたくない」と考えている人はフィリピン留学は決定的に合わないと言えます。
一方、また異なる環境を楽しんだり、経験だと思える人には、むしろ価値のある滞在に感じられるでしょう。
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3-3. 上級者には物足りないことがある
フィリピン留学は初級レベルから参加できますが、上級になると物足りなさを覚える人もいます。
- 特定の職業向けの英語コースが少ない
- ネイティブレベルの会話スピードを学びづらい
- スラングなどネイティブ特有の話し方が学びづらい
単純に実用レベルに英語力を伸ばすという点では不足はないのですが、上級者がさらに英語力をネイティブレベルにまで磨き上げるということができる学校は一部です。
そのため、上級者の場合はIELTSコースなどの専門英語コース、一般英語でも上級者までしっかり対応できる学校、ネイティブ講師が在籍している学校の選択などが必要となってきます。
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3-4. 航空券代が増える
日本から欧米にダイレクト行くのではなく、フィリピンを経由することによりフィリピンから欧米のチケットが余計にかかります。また、一度日本に戻って荷物を整えてから欧米に出発する人もいます。
ただし、トータルで考えるべきことのため、航空券代が追加で発生したとしても、2カ国留学の方が経済的メリットが大きいことは多々あります。
4. 2カ国留学のメリット
4-1. 高い英語力で欧米生活をスタートできる
英語力が低いままで欧米諸国での生活をスタートさせると、以下のようなことが起こります。
- 学校への就学期間が伸びる (高コスト)
- 仕事を探しても低賃金のところしか見つからない
- 滞在先を探すのも日本語情報でしか探せないため候補が減る
- 外国人との交流ができず、日本人と一緒にいる
出発前は輝いていた欧米での生活が、英語力がないことで叶えられないことばかりという事実をまざまざと突きつけられることになります。そこで、慌てて英語力を身につけようとしても、学校に通う費用は大きな金額ですし、勉強している間にも時は過ぎていきます。これは滞在期間が決まっている留学・ワーキングホリデーにとっては痛いところです。
しかし、フィリピン留学で中級レベル以上の英語力を身につけていれば、最初から英語環境の仕事やシェアハウス探しができ、また友達関係も多国籍な人たちと友達になり交流ができます。つまり、最低限の英語力があってはじめて、英語環境で生活ができるようになるのです。
4-2. 賃金が大幅に上がる
ワーキングホリデーでは就労して、それで得た収入で生活していくことになります。最近では歴史的な円安により、貯金して帰国する“出稼ぎ”をすることもできます。
しかし、英語ができない状態ですと、就ける仕事も限定されますし、給与などの条件も悪くなりがちです。しかも、英語ができなくてもOKな職場は、当然英語を使わないので職場環境を通じて英語力を上げることはできません。
英語力がある場合、選択できる仕事の幅が一気に広がり、賃金も高くなるのが一般的です。英語ができるか否かによる賃金格差はとても大きく、最終的にはフィリピン留学でかかった費用以上の稼ぎを得ることができてしまうのです。
オーストラリアの賃金を例にとってみましょう。仮に英語力の有無で時給が5豪ドルの差が出た場合、下記のような収入の差が出ます。
就労期間 | 計算式 | 差額 |
---|---|---|
3ヶ月 | 5豪ドル×8時間×22日×3ヶ月 | $2,640 (約264,000円) |
6ヶ月 | 5豪ドル×8時間×22日×6ヶ月 | $5,280 (約528,000円) |
12ヶ月 | 5豪ドル×8時間×22日×12ヶ月 | $10,560 (約1,056,000円) |
※週5日、1日8時間働いた場合
つまり、2カ国留学の形で欧米を訪れることにより、英語力だけでなく収入面でも有利になるわけです。
もちろん、収入だけでは無く英語が環境の仕事となれば今度は給料をもらいつつ実践的な英語力を上げていくことができる理想的な環境にすることができます。
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4-3. より高い英語力を身につけられる
フィリピン留学の費用は欧米留学より割安なため、同じ費用をかけた場合に、フィリピン留学の方がより高い英語力に到達できます。つまり、ワーキングホリデーに備えて中級レベルに早く達したい人にとっては、最も費用対効果が良い留学先になるわけです。
そして、中級レベルに達していれば、欧米でのワーキングホリデーでは英語環境の仕事や生活を送ることができるようになります。ワーキングホリデーはたった1年しか滞在できません。学校で初級から中級へのレベルアップのために時間とお金を使うか、英語環境で中級から上級へのレベルアップのために時間を使いお金を得るかで、結果得られるものは全く違います。
高いレベルの英語環境で生活すれば、さらに英語力に磨きがかかり、帰国時には胸を張って「英語ができる」と言えるようになるでしょう。これは帰国後の就職や、その後の人生においても有利に働くことになるのです。
4-4. 視野をさらに広げられる
欧米でも異文化で生活することで視野を大きく広げることができますが、日本と同じ先進国である点は同じです。
しかし、発展途上国のフィリピンで目にする光景や経験は、先進国ではまず得ることはできない点も多いです。「英語を勉強したい」という目的でフィリピンを訪れ、そこで見聞きした事で人生観、価値観が大きく変わり、その後の人生における選択で大きく影響を及ぼしたという留学生は少なくありません。
4-5. フィリピン留学中も欧米の情報が入る
近年では、ワーキングホリデーをする人で、2カ国留学の形をとる人は非常に多く、そのほとんどが2カ国目にオーストラリアかカナダを選ばれています。
そのため、フィリピン留学中に知り合った友達の中にも、2カ国留学でフィリピン留学をしている人がいます。そのため、そのような友達が先に欧米に渡航すると、一足先に現地の滞在先や仕事についての情報などを教えてもらうことができます。これにより、欧米生活に早く慣れて、1年という短い期間を有効活用できるのは大きなメリットと言えるでしょう。
2カ国留学はメリットが多いプランですが、フィリピン留学と欧米留学を闇雲に組み合わせるだけでは、その効果は得られないこともあります。ご希望にあわせたプランニングが必要ですので、お気軽にご相談ください。
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