フィリピン留学のことをインターネットで調べていると、数は多くはありませんがネガティブな感想も出てくるため心配になってしまう人もいると思います。
- フィリピン留学はおすすめできない。
- フィリピン留学を選んで失敗だった。
- フィリピン留学に行ったけど英語力が上がらなかった。
正直なところ、フィリピン留学と決定的にマッチングが合わないオススメできない人はいます。
フィリピン留学は、格安な費用でマンツーマンレッスンが受講でき、英語力も上がりやすいということから人…
フィリピン留学は、格安な費用でマンツーマンレッスンが受講でき、英語力も上がりやすいということから人気が高い留学地ではありますが、パーフェクトというわけではありません。 これまでにフィリピン留学…
上記の記事のように、フィリピンという土地や文化が合わない人もいれば、留学で大事にしたいポイントがフィリピン留学では実現できない要素だったりする場合はマッチングが悪いとしか言いようがありません。このような方は、異なる留学国を選んだ方がよいでしょう。
しかし、このようなケースとは異なり、「間違った認識で留学していたことに起因して結果が出せない」というケースは多く見受けられます。
本来、留学で英語力を伸ばす=成果を上げるには、
- どのような学校・コース・環境を選べばよいのか?
- 留学まで何をすべきか?
- 留学中に行うべき習慣はなにか?
を正しく知っておく必要があります。しかし、これらは留学生本人が自ら正しく認識することは難しいポイントです。そのため、「留学すれば英語力は伸びる」「授業を受けていれば英語力は伸びる」と漠然と考えたまま、結局のところ思ったほど英語力を伸ばせないという留学生が出てしまうのです。
正しい認識で留学を遂行するという視点があれば、英語力が上がらないことは絶対にありえません。そこで、この記事では、学校勤務経験があるスタッフが実際に目にした英語力が伸びない学生がやっている失敗例TOP5をご紹介します。また、その失敗を防ぐ対策法もお伝えしますのでぜひ参考にしてください。
1. 自習をしっかり行わなかった
「真面目に授業を受けていたのに英語力が大して上がらなかった」と言っている方は、ほぼこのパターンです。実はいくら授業を真面目に1日8時間受けても、それだけでは英語力はさほど上がりません。
「えっ!8時間も授業を受けても英語力が上がらないなんて、カリキュラムに問題があるのでは?」と思った方もいると思います。
知っておきたいこととして、「英語力が身につくのは授業中ではなく、自習時間である」ということです。
まず、授業の役割は新しく身につける知識やスキルの解説がメインとなります。あくまで講師から“やり方”を教わったに過ぎません。実際に英語力として身につけるためには、授業で行ったことを復習して記憶する、繰り返しトレーニングする自習時間が必要になります。自習は学んだことを忘れないようにする長期記憶化のために重要な時間なのです。
フィリピン留学では朝から夕方まで、授業が続く生活になります。かなり疲れることでしょう。やりきったという達成感もあるでしょう。しかし、疲れてしまって、夕食後や休日に自習時間を取らないのは、大変もったいない行為なのです。
突然ですが、“エビングハウスの忘却曲線”というものをご存知でしょうか。
エビングハウスの忘却曲線とは、ドイツの心理学者であるヘルマン・エビングハウスが提唱した、特に中期記憶 (長期記憶)に対する時間の経過と記憶の関係を表した曲線のことをいいます。
人の記憶は「時間が経つほど忘れてしまう」ものです。
エビングハウスはこの時間と記憶の相関関係における実験を行い、
- 1日後には74%
- 1週間後には77%
- 1ヶ月後には79%
の記憶を忘れてしまうことを、この忘却曲線にて示しました。
一般社団法人 日本経営心理士協会
人間は何もしなければ24時間もすれば74%のことを忘れてしまうのです!乱暴な計算になりますが、8時間授業を受講して「なるほど!」と100%理解しても、自習をして記憶しなければ翌日には74%、つまり約6時間分の内容を忘れてしまうのです。
しかも、授業6時間分を綺麗に忘れてくれれば、残り2時間分はしっかり覚えていればまだ使える記憶ですが、残念ながら人間の脳はそんなに器用にはできておらず、学んだ知識はランダムに忘れていきます。そのため、自習をしなければ翌日の授業の時には26%しか記憶が残っていないわけですから、どんなに体系立てられたカリキュラムであっても積み上げができません。
フィリピン留学の大きな落とし穴でもありますが、1日8時間もの授業があることで「こんなに勉強したのは大学受験以来だ」といった具合に達成感が得られます。そこで、頑張った自分にご褒美をと考えて、放課後はのんびり動画を見て過ごしたり、友達と飲みに出かけてしまう人も一定数います。このような人は、底が抜けたバケツと同じでどれだけ水を流し込んでも、次々と流れ出ていきますから、いつまで経っても水は溜まりません。つまり、例え一年留学しても英語力はあまり伸びないのです。
そのような人は「こんなに勉強したのに英語力が伸びないフィリピン留学になんて無駄だ!」と言いふらしたくなるのかもしれませんが、正しい勉強への認識に気づいて実行しない限り、欧米留学であっても同じことが起こるでしょう。
教訓
授業で学んだことはその日に自習し、長期記憶化することで初めて英語力は上がる。
2. 授業時間が長すぎるコースを選択してしまった
フィリピン留学の豊富な授業時間は魅力の一つにもなっていますが、ここにも落とし穴があります。正直な話、1日10時間といった授業時間を長期間に渡って集中して受講し続けることなど、99%の人にとって無理な話です。
1~2週間の短期の留学生であれば、詰め込み学習をして帰国後に整理復習するという学習プランもできなくはないのですが、1ヶ月以上留学する方にとって、多すぎる授業時間は結果的に学習効率を下げることに繋がってしまいます。
残念ながら、授業時間が多いことをアピールするとメリットが多いと考えるのは学校・エージェントともに共通する傾向でもあります。
- 授業時間が多いため価格が高いコースを売りたい
- 学生は授業時間が多い=英語力が伸びると考えている
- 人生で一度の留学なのだから、思い切って上のコースにしたい
この3つの目論見が合わさって、授業時間が多いコースに人気が集まるのです。
学校現場で数多くの留学生の動向を目にしてきた経験からいうと、ほとんどの人にとって基本コースで十分です。日本人は松竹梅と並んでいると、ついつい真ん中の“竹”を選びたくなる心理がありますし、料金が高いコースの方がより効果があるという思い込みにはまってしまう人もいるでしょう。
例えば、授業時間が多ければそれだけ英語力が伸びるのであれば、1日16時間のコースがあれば、8時間のコースより2倍英語力が伸びるのでしょうか?そんなことはありませんよね。誰もが「そんな無茶なコース」と思うでしょう。
授業が多すぎるコースを選択した学生さんが、実際にどうなるのかと言えば、午後3時を過ぎると集中力はほぼなくなっています。しかし、高いお金を払ったのだから授業を休むのはもったいないという考えで、授業に出席し「今日はもう疲れているのでフリーカンバセーション (おしゃべり) をしよう」と講師にオーダーする人も出てきます。目的が英語力を伸ばすことではなく授業に出席することになるという本末転倒なことが起きてしまうのです。
また、授業数が多いということは、その日に学ぶことも多いということ、つまり自習すべき内容も多いということです。しかし、疲れ切った状態で、膨大な内容の自習に取り組むことができる人はどれだけいるのでしょうか。
英語力を上げるのに大切なことは、授業が終わってもまだ余力があるという状態にすることで、放課後の自習時間は欠かさず設定することです。
教訓
特別な理由がない限り適度な時間数の基本コースを選ぶ。
フィリピン留学の魅力と言えばなんといってもマンツーマン授業。フィリピン留学は平均4~5時間のマンツ…
フィリピン留学の魅力と言えばなんといってもマンツーマン授業。フィリピン留学は平均4~5時間のマンツーマン授業が1日の授業に組み込まれています。学校によっては8時間、9時間、10時間といったような長時…
3. 講師を頻繁に変更する
フィリピン留学の特徴の一つとして「講師の変更を希望できる」という制度がある学校が多いです。マンツーマン授業は講師との距離感も近くなるため、やはり自分に合う講師に担当してもらいたいと思う人が多いのは当然のことでしょう。
しかし、「友達から○◯先生が良いと聞いた」とか、「もっと良い先生がいるのではないか」と考え、担当の講師の頻繁に変更する人がいます。講師変更の申請日になると、毎週のように授業を休んでまで列に並ぶ学生までいるほど、より良い講師との巡り合うことに必死になる人がいるのです。
これも学校現場で多くの留学生を目にして分かったことですが、英語力をしっかり伸ばしている学生は講師の変更はほとんど行っていないという事実があります。もちろん、講師に問題があった場合は遠慮せず変更すべきですが、そうでない場合は少々気にいらないポイントがあっても継続することをオススメします。
講師を変更すると、講師が学生の力量を見定めるのに時間がかかり、それだけ有効な学習プログラムを提示することが遅くなります。さらに教え方が大きく変わる、教材が変わるなど一貫した教育が受けられなくなります。こんな状態を繰り返せば、当然英語力をしっかり上げることはできません。講師を頻繁に変更したがる学生が勘違いしているのは、「より良い講師が高い英語力に導いてくれる」と思い込んでいる点です。
教育というものは、学生は講師を信頼し、講師はその期待に応えることで成り立ちます。信じる相手をころころ変えていると、学習方針や勉強方法もふらふらと迷走してしまい、結果何も身につかないということが起きてしまうわけです。
教訓
講師の変更は致し方ない場合に限り、講師を信じて受講する。
4. 学校のミスマッチが起きている
フィリピン留学における語学学校と言っても、学校により校風や生活スタイル、設備などが大きく変わります。
自分が求める留学スタイル、学校への希望をしっかり決めずに、料金だけで決めてしまったり、エージェントが一方的にすすめてきた学校に決めてしまうと、相性問題つまりミスマッチが起こり、その学校自体は決して悪い学校ではないのに「最悪の学校だ」「フィリピン留学なんてこの程度のものだ」というネガティブな感想に陥ってしまうことが起こります。
例えば、しっかり勉強したいと考えている人が、学生の自主性を重んじた学校を選んでしまえば、毎日飲み歩く学生などを目にして不愉快な感情になることでしょう。逆に、海外生活を楽しむことが最優先の人が門限があったり、出欠管理が厳しい学校を選べば、窮屈に感じて学校に対して敵意があらわになるということが起こってしまいます。
教訓
留学で何を重視するのかを明確にしてリストアップすること。それをもとに学校選びを行う。
5. 中学英語を理解しない状態で留学してしまった
初級者から参加できるフィリピン留学なのだから、現地に行けば何とかなるだろうと考えてしまう方も多いです。しかし、初級者という定義は幅が広く、英語教育の現場では以下のいずれも初級者扱いになるからです。
- 短いシンプルな英文であれば英語で話せる
- 大学受験で英語をやったきりで、英語はほとんど話せない
- 中学の頃から英語が苦手で、その後も特に勉強していない
この2と3には大きな差があると考えてください。2の人は、中学レベルの英文法や単語はおおむね知っている場合が多いです。現時点で覚えていなくとも、その気になれば短期間で思い出せるでしょう。しかし、3は本当に英語に触れるのが初めてといってもよい状態で、単語で何とか意志を伝えるということも難しいことでしょう。
留学中は、フィリピン人講師は日本語が全くできないので、当然授業の全てが英語で行われます。この時に中学レベルの基礎文法や単語が分からない状態ですと、「どんなに説明されても分からない」「分からないことをどう伝えればよいかも分からない」ということが起きてしまいます。いくら簡単に説明するプロである講師もお手上げになってしまう場合もあるわけです。
半年などの長期留学であれば、現地入りしてから徐々に基礎文法や単語を身につけていく時間があります。しかし、短期留学の場合は、授業がほとんど分からないまま終わってしまったとか、ほとんどの期間が単語と文法のインプットで終わってしまうことも起こりえます。
いくら初級者でも参加できるからといって、本当の意味で何も英語を知らないという状況での留学は避けるべきです。大人になってから学ぶ中学レベルの英文法や単語はさほど難しくはありません。この2つだけでよいので、事前に学習しておくようにしましょう。
教訓
特に初級者は中学レベルの文法・単語は出発前に勉強しておくこと。
留学すれば英語がペラペラになって帰国できるそう考えていませんか? 語学留学あるある 初…
留学すれば英語がペラペラになって帰国できるそう考えていませんか? 語学留学あるある 初級レベルの方が留学すると… レッスンが理解できない 英語だけで説明されても何…
英語力を伸ばした実績にゆるぎはない
フィリピン留学で英語力が上がらなかったという人が一定数いるのは事実です。しかし、その多くは間違った認識で学校・コースを選び、さらに自習を行わないなどの勉強のやり方を知らなかったことに起因しています。これらを押さえていれば、状況は変わっていたと考えると大変残念な話です。
フィリピン留学は老若男女問わず多くの人から支持されており、年間3万人以上の日本人が参加する世界第4位の留学国になっています。これは英語力を伸ばす最適なパッケージであったことが支持される理由になっていますが、その効能が発揮できるのは、この記事で紹介した正しい認識で留学を行うことである点、忘れないようにしてください。
1. 日本から最も近い英語の国 フィリピンは英語を話す人が世界で3番目に多い国です。幼少期より英語を…
1. 日本から最も近い英語の国 フィリピンは英語を話す人が世界で3番目に多い国です。幼少期より英語を学び、大学では英語で学問を修得するほどで、ビジネス英語の運用力調査では世界No.1と評価されるなど高…
フィリピン留学で英語が上がらない失敗例について、いかがだったでしょうか。
成果が上がる留学では、どこよりも詳しい知識と豊富な経験をもとにプロの目線から失敗のない留学プランをご提案します。どんな質問や相談でも構いません。お気軽にお問い合わせください。