フィリピン留学ブログ

100万円以上の被害も!トランプ詐欺の詳細と回避策を教えます!

“トランプ詐欺”という言葉を聞いたことはありますか?フィリピンの治安について調べていると、必ず注意が呼びかけられている犯罪です。

海外には観光客や留学生などの外国人を狙った詐欺を生業にしている人がいます。その代表例が“トランプ詐欺”でフィリピンでも被害が報告されています。

フィリピンで注意すべき犯罪は、スリや置き引きといった窃盗とトランプ詐欺の2つといっても過言ではありません。その他の犯罪はないとは言いませんが、夜道を一人で歩いていたり、喧嘩するなどの非常識な振る舞いをしない限りはリスクは低いといえるでしょう。

【徹底解説】フィリピン留学は危ない?誰もが気になる“治安”のお話

フィリピン留学を検討している人にとって、心配なポイントとして必ず上がってくるのは “治安”ではない…

フィリピン留学を検討している人にとって、心配なポイントとして必ず上がってくるのは “治安”ではないでしょうか。 日本におけるフィリピン留学黎明期である2010年頃、フィリピン留学を検討していた…

この記事では、トランプ詐欺はどのような内容の詐欺なのか?そして簡単にできる回避策について解説します。

1. トランプ詐欺とは何か?

簡単に説明するとポーカーやブラックジャックなどのトランプゲームで、「イカサマをして絶対にあなたに勝たせてあげるから、お金持ちの友人をカモにしよう」と賭博に勧誘され、実際は自分がカモにされて大金を奪われる詐欺のことを差します。

そのような怪し過ぎる手口に引っかかる人はいないだろうと思うかもしれませんが、昔から東南アジアなど世界各国で横行しており、旅行ガイドブックには必ずといっていいほど紹介されています。

こちらはアフリカでの例ですが、外務省からも「いかさま賭博詐欺」として注意が行われています。

外務省 海外安全ホームページ|海外邦人事件簿 Vol.18 気がついたら大負け、いかさま賭博詐欺

海外に渡航・滞在される方々が自分自身で安全を確保していただくための参考情報を公開しております。

海外に渡航・滞在される方々が自分自身で安全を確保していただくための参考情報を公開しております。

https://www.anzen.mofa.go.jp/jikenbo/jikenbo18.html

成果が上がる留学スタッフの私もセブでの生活していた8年の間に、何人かのトランプ詐欺の被害者と会うことがありました。

その手口はマニュアルがあるのかと思うほどワンパターンなため、詐欺に至る流れや、被害者の心理状態などを知ることは、トランプ詐欺に遭わないためにも役立つことでしょう。

2. トランプ詐欺の体験談

30代の日本人留学生Aさんの体験談をもとに、詐欺の流れを知ることにしましょう。

2-1. きっかけ

フィリピンに到着してしばらくのため、まだ学校に仲の良い友達はおらず、休日に一人でショッピングモールへ出かけました。

「Are you Japanese ?」

※時には片言の日本語の時もあるようです。また、詐欺師は男性と女性どちらのケースもあります。

ふと声の方を見ると綺麗な身なりをした優しい雰囲気のフィリピン人女性が立っています。

そして、日本人だと答えると、この女性はキャサリンさんという方で「私は日本が好きなの」「姉が日本で働いている」「日本に行ったことがある」など、親日ぶりをアピールしてきます。日本人としては親日家の人を見て嫌な気はしません。片言の英語ながら話ははずみました。

しばらくすると「今度、姪っ子が日本に行くんだけど、ビザの書類で日本語が理解できないの。よければ私の家に来て教えてくれない?」と言ってきました。家に行くのは不安だなとは思いましたが、話をしていて楽しかったし、何より人懐っこい笑顔でお願いしてくるので、断るに断れない気持ちになっていきました。

つい「手伝うよ」と言ってしまい、ショッピングモールの外へ出て女性の車に乗ることになりました。キャサリンさんは身なりもしっかりした女性でしたし、フィリピンで車を買えるような裕福な家の人であれば大丈夫だろうと自分を安心させました。

2-2. 詐欺師の家へ

車は路地を何度も曲がり30分以上走り続けました。今考えると、彼女たちのアジトがどこか覚えられないようにするためだと思います。

家に着くと部屋に案内されました。すると、そこにはフィリピン人の男女4人がいて、部屋に入るやいなや立ち上がって握手を求めてきて、とても親切にもてなしてくれました。そして少し和んだあたりで、1人の男性アリエルさんがトランプを出して「今日は友達を呼んで賭けポーカーをやるから、君もやらないか」と誘われました。ポーカーのルールもよく分からないし、さらに賭けてやるなど怖くて当然断りました。

しかし、アリエルさんが「大丈夫だよ。僕がテクニックを教えるから必ず君は勝てる。友達はお金持ちだからカモにしよう。彼にとってははした金だから心配しないで」と言い、目の前でそのテクニック (イカサマ)を見せてくれました。そのテクニック通りにすれば絶対に勝てることを確信できるものでした。

みんなも「あなたは何十万ペソも儲かるのだよ。やろうよ!」「掛金は僕が出すから、君がお金を払う必要はないんだよ」などと言い強引に誘ってきました。その押しの強さ、大金を絶対に手に入れられるという下心から思わず「OK」と言ってしましました。

しばらくしてお金持ちの友達が到着しました。彼はマイケルさんといい現地ではレストランを何店舗も経営している人だそうです。身につけている物も高級品のようで、確かにお金持ちなのだろうと思いました。

2-3. 賭けポーカーの始まり

お金持ちのマイケルさんを含めてしばらく話した後、いよいよポーカー大会がスタートしました。

アリエルさんの指示通りカードを切っていくと、確かに勝てました。ニ回目も、三回目も。お金も1万、2万、5万、10万円とどんどん増えていきます。どんどん勝ち続け、獲得した金額は30万円を超えました。ギャンブルする人が言う「アドレナリンが出る」という感覚は、まさにこれなのだろうと思うほど興奮するゲームの連続でした。

今日はショッピングモールでキャサリンさんと知り合って、めちゃくちゃラッキーだと思いました。「親切なキャサリンさん、チャンスをくれてありがとう!」とまで思いました。

2-4.一気に掛け金が上がり…

勝ち続けたまま時間が経ちました。お金持ちのマイケルさんが、大勝負ということで一気に掛け金を上げてきました。ちょっと驚きましたが、私に必勝法を教えてくれるアリエルさんからは「大丈夫」といった感じで目配せしてきます。ここでゲームを降りるのは周囲が白けてしまうでしょうから、それはできません。

この勝負に勝てば、留学で掛かった費用よりも儲かってしまうのではという考えが頭がよぎります。必ず勝てるイカサマ勝負ですから、負けた時のリスクなど考えることもありません。

しかし、そのゲームはお金持ちのマイケルさんが勝利しました。「たまには負けないとイカサマだってバレるってことかな」とこの時は都合よく考えていました。

その後も、一転して勝つことはできず、今までの儲けもすべて失い、それだけでは足らず大きなマイナスになっていきました。

2-5. 大金を奪われる

あの時から一度も勝てなくなり、ゲームは終わりました。惨敗です。

その瞬間、さっきまで味方だったアリエルさんやキャサリンさんたちが一気に手のひらを返したかのように責め立ててきます。「賭けに負けたのだから、その分は払わなくてはいけない!」「何で言う通りにしないんだ!」「あんなに負けてどうするの!」言い返したくても英語力不足で何と言っていいかも分かりません。

見知らぬ人の家で、相手は4人の外国人です。怖くなって財布の中身を全部出しましたが、それだけでは足らないということです。現地での生活費用としてバッグに入れていた日本円も差し出し、さらに近くのATMに連れて行かれ、持っていた何枚かのカードでキャシングまでする羽目に。

「まだ足りない。どうするんだ!大変なことになるぞ!」と怒られ、泣く泣く腕時計とiPhoneも渡すことに…。

2-6. 解放

もう出せるものがない状態に困惑していると、彼女達は急に優しくなり「もう大丈夫よ。帰りは送ってあげる」と言って、最初に出会ったショッピングモールまで送ってくれました。その時は「良かった…優しいところもあるな」と思いましたが、今にして思うと歩いて帰らせれば助けを呼ばれたり、アジトの場所が悟られてしまうからだと思います。

ショッピングモールで無事に解放されて、ただただホッとしました。しかし、現金や腕時計、iPhoneと、総額50万円ほど失ったことに、ただただ絶望しました…。

留学の出鼻をくじかれる最悪な出来事でした。全額失ったためタクシーにも乗れず、歩いて学校に戻り、すぐにスタッフに相談しました。警察にも被害届を出しましたが、詐欺師が捕まることはなかったということです。


これがAさんが経験したトランプ詐欺の全貌です。もちろん、細かいところの差はありますし、被害額も人によって異なります。しかし、手口はほぼ一緒です。

詐欺の被害に遭うケースは極めて少数のため、過度に心配する必要はありませんが、これは事前にトランプ詐欺の知識があれば避けることができるものです。次の章では、回避策をご説明します。

3. トランプ詐欺を回避するポイント

いくつかのポイントを守ってくれれば、ほぼ100%トランプ詐欺は回避することができます。

3-1. 一人で行動しない

この詐欺は、ほぼ100%の確率で一人でいる時に声をかけられます。グループを狙うと、グループ内で相談されてしまうために成功率が低く、トラブルになった際に反撃される恐れがあるためと言われています。

余談ですが、韓国人留学生はフィリピンに到着してすぐの場合でも遊びに行ったり食事に行く際に一人で行動することがないそうです。すぐに誰でも良いので友達を作りグループ行動をしようとするために、この手の詐欺被害にあうことは皆無と言われています。

一方、一人で遊びに行ったり食事をすることにためらいのない日本人が、トランプ詐欺のターゲットになることが多くなっています。特に「20代の学生と一緒に行動するのは気が引ける」と考える中高年の方が一人で行動し被害に遭うケースがほとんどです。

3-2. 知らない人に話しかけられも行動を共にしない

フィリピン人でも突然話しかけてきた人の家にいきなり行くということは、まずありえません。もちろん、フレンドリーに話しかけてきた人がすべて詐欺師だと疑えということではありませんので、多少雑談をするのはよいとしても、相手の車に乗ったり、家についていくというのは論外な行動です。

しかし、日本では警戒してしまう状況でも、「海外ではこういうこともあるのかな?」と状況を肯定しがちな心理になることがあります。そのため、“知らない人にはついていかない”という当たり前の振る舞いは絶対守ってください。これだけでトランプ詐欺は絶対に防げます。

もし、「詐欺師だと決めつけ警戒するのは失礼なのでは?」と考えるのであれば、SNSなどで連絡先を交換してください。後日、「友達も会いたがってるから、友達数人を連れていってもよいですか?」と尋ねてみるとよいでしょう。まず返事がこないか、何かしらの理由をつけて複数人で会うのを拒んできます。もし、本当に日本人と仲良くなりたいフィリピン人であれば、むしろ喜んで受け入れてくれるでしょう。

3-3. 一緒に写真を撮る

フレンドリーに話しかけられ、仲良くなったら、一緒に写真を撮ろうと誘ってみてください。

もし、日本人が大好きなフレンドリーな人であれば、喜んでOKしてくれます。フィリピン人は日本人と異なり、自分を撮られるのが大好きです。ほとんどの人のスマホの待ち受けは自分か、自分を含めた家族写真になっているほどで、Facebookなどを見ると老若男女問わずナルシストなのではないだろうかと思いたくなるような自撮り写真をたくさん載せています。

自分から声をかけてきて友人になろうとしている人との写真撮影を断るなど絶対にありえません。もし一緒に写真を撮ることを断ってくるようであれば、怪しいと思ってもよいでしょう。詐欺師は警察の捜査に利用される恐れがある写真など絶対に撮らせてくれませんから。


トランプ詐欺について、いかがだったでしょうか。

成果が上がる留学では、フィリピン在住歴もあるスタッフが、どこよりも詳しい知識と豊富な経験をもとにプロの目線から失敗のない留学プランをご提案します。どんな質問やご相談、資料のご要望でも構いませんので、お気軽にお問い合わせください。

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