フィリピン留学ブログ

同じフィリピン語でもタガログ語とビサヤ語はこれだけ違う

フィリピンは、実に170を超える言語が存在する多言語国家です。中でもタガログ語とビサヤ語(セブアノ語)は、特に広く使われていますが、同じフィリピン国内でありながら、これらの言語には大きな違いがあります。タガログ語はフィリピンの標準語として全国的に通用しますが、ビサヤ語はセブを中心に話される地域言語です。

今回は、日常的に使う単語やフレーズを通じて、タガログ語とビサヤ語の違いを紹介し、言語の違いがフィリピン人同士のコミュニケーションにもどのような影響を与えるかを紹介します。

1. タガログ語とビサヤ語の単語の違い

まずは、タガログ語とビサヤ語で単語そのものが異なる例を見てみましょう。以下に紹介するのは、日常的に使われる単語やフレーズです。

こんにちは

  • タガログ語: Kumusta?(クムスタ)
  • ビサヤ語: Kumusta?(クムスタ)
  • 解説: 両言語で同じフレーズが使われますが、発音やイントネーションが異なることがあります。

ありがとう

  • タガログ語: Salamat(サラマット)
  • ビサヤ語: Salamat(サラマット)
  • 解説: 同じ単語ですが、使い方やニュアンスが微妙に異なることがあります。

おはようございます

  • タガログ語: Magandang umaga(マガンダン ウマガ)
  • ビサヤ語: Maayong buntag(マアヨン ブンタッグ)
  • 解説: このように、挨拶の言葉そのものが完全に異なります。

何をしていますか?

  • タガログ語: Anong ginagawa mo?(アノン ギナガワ モ?)
  • ビサヤ語: Unsa imong gibuhat?(ウンサ イモング ギブハット?)
  • 解説: 質問の仕方が言語によって全く異なります。

食べ物

  • タガログ語: Pagkain(パグカイン)
  • ビサヤ語: Kaon(カオン)
  • 解説: 日常生活で頻繁に使う単語も大きく異なります。

今何時ですか?

  • タガログ語: Anong oras na?(アノン オラス ナ?)
  • ビサヤ語: Unsa na oras?(ウンサ ナ オラス?)
  • 解説: 質問文全体が違います。

どこに行きますか?

  • タガログ語: Saan ka pupunta?(サアン カ ププンタ?)
  • ビサヤ語: Asa ka padulong?(アサ カ パドルング?)
  • 解説: 動詞や語順が完全に異なります。

私はお腹が空きました

  • タガログ語: Gutom na ako(グトム ナ アコ)
  • ビサヤ語: Gigutom ko(ギグトム コ)
  • 解説: 主語と動詞の順序や形式が異なります。

気をつけて

  • タガログ語: Mag-ingat ka(マグ イングァッ カ)
  • ビサヤ語: Amping ka(アンピン カ)
  • 解説: 挨拶やお別れの際に使われるフレーズも異なります。

美しい

  • タガログ語: Maganda(マガンダ)
  • ビサヤ語: Gwapa(グワパ)
  • 解説: 外見を褒める際の言葉も全く異なります。

2. フィリピン人同士でも言葉が通じないことがある

タガログ語はフィリピンの標準語として全国的に教えられ、使われていますが、全てのフィリピン人がタガログ語を流暢に話せるわけではありません。特にビサヤ語が主に話されるセブ地方では、タガログ語を聞き取ることができても、流暢に話すことが難しい人が多いのが現状です。

逆に、マニラ、クラーク、バギオといった地域では、タガログ語が主に使われており、ビサヤ語はほとんど理解されていません。このように、同じ国に住んでいるにも関わらず、言葉の違いが原因でフィリピン人同士でもコミュニケーションがうまくいかないことがあります。そこでエリアが違う人同士話す時は英語が利用されます。

3. セブでのコミュニケーション: ビサヤ語の重要性

セブの人々は、日常生活でタガログ語を使うことはほとんどありません。ビサヤ語が彼らの日常のコミュニケーション手段となっており、セブに住むフィリピン人は、ビサヤ語で話すことに強いアイデンティティを感じています。タガログ語を話すと、セブの人々との間に距離感を感じてしまうことがあるため、コミュニケーションを深めるためには、ビサヤ語を使うことが非常に効果的です。

このため、日本人などの外国人がセブで生活する際には、ビサヤ語を少しでも覚えて使うことが推奨されます。ビサヤ語を話すことで、現地の人々とより良い関係を築くことができ、コミュニケーションがスムーズになります。実際、ビサヤ語で挨拶をするだけでも、現地の人々から親しみを持ってもらいやすくなります。

終わりに

フィリピンは、多様な言語と文化が共存する国です。同じフィリピン語でも、タガログ語とビサヤ語の違いは大きく、言語の違いがフィリピン人同士のコミュニケーションに影響を与えることがあります。特にセブで生活する際には、ビサヤ語を学び、使うことで、現地の人々との距離を縮めることができます。

言語は、文化やアイデンティティを反映する重要な要素です。フィリピンでの生活をより豊かにするために、タガログ語とビサヤ語の違いを理解し、適切に使い分けてみてください。

留学相談 無料 LINEで相談 無料
上部へスクロール