現在、日本人に人気の留学先として、アメリカ、オーストラリア、カナダ、そしてフィリピンの4カ国が挙げられます。しかし、その中でもフィリピン留学は他の欧米諸国とは大きく異なる点があり、独特の存在感を放っています。
同じ英語力向上を目指している留学であっても、各国で提供される環境やメリットには大きな違いがあります。欧米の留学イメージをフィリピン留学にそのまま当てはめると、期待外れに感じることがあるかもしれません。反対に、フィリピン留学で得られる特有のサービスや経験は、欧米留学ではあまり期待できない点も多くあります。
本記事では、フィリピン留学と欧米留学の違いを明確にし、各々のメリットを詳しく解説していきます。それぞれの特徴を知ることで、どちらが自分に合った留学先なのか判断する参考にしてみてください。
1. フィリピン留学のメリット
フィリピン留学のメリットを一言で言うと、学習に集中できる環境で短期間に英語力を効率的に伸ばせることです。特に、マンツーマンレッスンが豊富で、個々のニーズに応じた指導を受けられるため、学習成果が大きいのが特徴です。
1-1. マンツーマンレッスンがある
フィリピン留学の最大の魅力、そして大きなメリットは、マンツーマンレッスンを受講できる点です。
欧米諸国の留学では、クラスの多くが15〜20名程度の大人数のグループレッスンで行われることが一般的です。マンツーマンの授業を希望する場合、家庭教師を個別に手配しなければならず、その費用も非常に高額になります。
一方、フィリピンのマンツーマンレッスンでは、自分の英語力とペースに合わせた学習が可能です。講師が完全に生徒一人に集中できるため、英語力を効果的に引き上げることができます。特に、グループクラスでありがちな「授業についていけない」「自分だけ取り残される」といった心配は一切ありません。
さらに、マンツーマンレッスンのもう一つの大きな利点は、徹底的なアウトプットが求められる点です。大人数のグループレッスンでは、発言する時間や機会が限られますが、マンツーマンならばその心配はありません。常に自分のペースで発話し、教師との対話を繰り返すことで、短期間での英会話力向上が期待できます。アウトプットの機会が豊富なことから、英語力の向上スピードは大幅に加速するでしょう。
1-2. 1日8時間は当たり前の集中学習
欧米留学では、1日の授業時間が平均4時間程度であることが多いのに対し、フィリピン留学では1日8時間前後の授業が提供されており、なんと2倍もの学習時間が確保されています。
もちろん、授業時間が長ければ良いというわけではありませんが、短期間の留学においてはこの長時間の授業が大きな効果をもたらします。数週間から数ヶ月という限られた時間の中で、密度の高いマンツーマンレッスンと十分な学習時間を確保できるフィリピン留学は、英語力を飛躍的に伸ばすための理想的な環境と言えます。
そのため、留学期間あたりの英語力の伸びを比較すると、フィリピン留学はマンツーマンレッスンと長時間の授業の相乗効果により、圧倒的に効果が高い結果が得られるでしょう。
さらにフィリピン留学には、“スパルタ式”と呼ばれる究極の学習スタイルがあり、これこそが短期間で英語力を最大限に引き上げたい方に最適なコースです。
このコースでは、1日の授業時間が多いだけでなく、毎日の小テストや自習時間の徹底管理も行われます。通常の授業以外にも、夜間の自習や復習時間がしっかりと確保されており、学習内容の定着が促進されます。また、テストによって日々の進捗を確認し、苦手な部分を即座に補強するため、学習効率が飛躍的に向上します。
スパルタ式の環境では、常に学習に集中できるようにルールが整えられており、まさに「伸びるしかない」環境です。遊びや余暇に流されることなく、英語にしっかりと向き合えるため、短期間で目に見える成果が期待できます。このため、特に集中して英語力を高めたい方に非常におすすめのコースです。
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1-3. 全寮制のため英語学習に集中できる
海外での生活は、宿泊先の手配や食事、洗濯、掃除といった日常の家事まで自分でこなさなければならないことが多く、思っている以上に負担が大きいものです。特に欧米留学では、こうした生活面を自分で全て管理することが一般的です。慣れるまでに時間がかかり、その間に英語学習に集中できないことも少なくありません。
一方、フィリピン留学では、語学学校が滞在先を提供する全寮制が主流となっており、生活面でのサポートが充実しています。学校が宿泊施設を手配するだけでなく、食事や洗濯、掃除などの家事負担も軽減されるため、生活に慣れるストレスが少なく、英語学習に集中できる環境が整っています。また、トラブルが起こった際も学校がサポートしてくれるため、留学生にとって大きな安心感が得られます。
- 食事
時間になれば学生食堂には温かい食事が用意されています。 - 洗濯
ランドリーサービスに預ければ、後日には綺麗に畳んで返却されます。 - 掃除
レッスンを受けている間にお部屋は隅々まで綺麗になっています。 - 日本人サポート
困ったことがあれば勉強面、生活面でも日本語で手助けしてくれます。
これにより、フィリピン留学では、わずらわしい家事全般に時間や労力を割くことなく、英語学習に専念できる環境が整っていると言えます。欧米留学では、日々の家事や生活の調整に追われがちですが、フィリピンの全寮制システムなら、これらの手間から解放されるため、学習効率を最大限に高めることができます。こうした環境の整備は、短期間での集中した学習を求める学生にとって、フィリピン留学の大きな魅力のひとつです。
※通学プランの準備がある学校もあります。
※一部の食事しか提供されず、その他は外食や自炊となる学校があります。
1-4. 通学時間が0分
欧米留学では、ホームステイやシェアハウスに滞在し、毎日20分から1時間ほどの通学時間をかけることが一般的です。しかし、海外の交通機関は日本のように時間通りに動くことが少なく、予期しない遅延や不便さが発生し、通学がストレスになることも少なくありません。
一方、フィリピン留学では、多くの語学学校がキャンパス内に校舎と学生寮を併設しており、通学時間が0分という環境が整っています。これにより、移動に時間を割く必要がなく、学習やリラックスのために時間を有効に使えるという大きなメリットがあります。通学の負担がないことで、勉強に集中できるだけでなく、余った時間を自習や他の活動に充てることができるため、フィリピン留学の大きな魅力の一つです。
1-5. 初級者にとってハードルが低い
欧米留学では、講師はほとんどが英語のネイティブスピーカーであり、主に白人や黒人の年配講師が多いことが特徴です。多くの日本人留学生は、ネイティブの講師に対して緊張しやすく、特に年配の講師の前では自信を持って英語を話すことが難しいと感じることがあります。異なる文化的背景や年齢差も影響し、授業中にリラックスできないと感じる人も多いです。
一方、フィリピン留学では、講師は基本的にフィリピン人であり、同じアジア人としての親しみやすさが大きなメリットです。講師の多くが20~30代の若い世代であるため、年齢が近いことも手伝って、初級の英語学習者でも緊張せずに話すことができる環境が整っています。また、フィリピン人の講師は、南国特有の明るくフレンドリーな性格を持っているため、すぐに友達のような親しい関係を築くことができるのも魅力です。
特に、まだ英語でのコミュニケーションに自信がない初級者にとっては、このリラックスした雰囲気が大きなメリットになります。授業中に緊張せず、楽しく英語を学べる環境が整っていることで、英語の習得速度も早くなるでしょう。講師との距離感が近く、質問もしやすいため、英語力を効果的に伸ばすための学習体験が得られます。
2. 欧米留学のメリット
欧米留学のメリットは、異文化交流や海外就労といった英語を使うことで得られる経験です。
2-1. クラスメイトが国際色豊か
フィリピン留学では、学生の約90%以上が日本、韓国、台湾、中国、ベトナムなど、東アジアおよび東南アジア出身です。多くの学生が同じような文化的背景を持っているため、親しみやすい環境で留学生活を送ることができます。これにより、アジアの学生同士でコミュニケーションがとりやすく、生活面でのストレスが少ないのが特徴です。
一方で、欧米留学では、世界中から学生が集まってきます。ヨーロッパ、南アメリカ、中東など、多様な地域から来る学生が学びに訪れ、時には30カ国以上の国籍が集まることも珍しくありません。このように、欧米留学では、様々な文化や背景を持つ人々と交流できる機会が豊富で、異文化理解を深める絶好の機会となります。
異文化交流の豊かさは、欧米留学の大きな魅力の一つです。さまざまな文化に触れることで、視野が広がり、多様な価値観や考え方を理解する力が養われます。
2-2. 講師は英語ネイティブ
フィリピン人の英語講師は、世界中で通用する流暢で綺麗な発音の英語を話すため、実用的な英語力を身につける上では非常に有効です。特に、日常会話やビジネスシーンで使う英語の基礎をしっかりと学ぶことができるため、初心者から中級者にとっては十分な教育環境が整っています。
しかし、英語のネイティブスピーカーに近いレベルを目指している上級者にとっては、物足りない部分があるかもしれません。ネイティブスピーカー特有の崩れた発音やスラング、またネイティブ特有の速い会話スピードといった要素に触れる機会が少ないため、そのような高度な英会話力を習得するには限界を感じることもあります。
また、心理的プレッシャーや会話スピードに対する慣れを克服するには、やはりネイティブ講師からのレッスンが有効です。ネイティブの表現やテンポに日常的に触れることで、英会話の際に生まれる緊張感を解消し、実践的なスキルをより自然に身につけることができます。
2-3. 海外の就労経験を得ることができる
フィリピン留学では留学生は就労することがありません。給与水準観点からもメリットが少なく一部インターンシップとして働くくらいです。
一方、日本とワーキングホリデー協定を締結しているオーストラリアやカナダなどの欧米諸国では、留学生であっても就労することが可能です。
欧米の語学学校は、レッスンが4時間ほどしかないため、13~14時頃には終わってしまうことが多く、放課後にアルバイトをする人は多いです。特にワーキングホリデービザで滞在している人の8割以上は通学しながらアルバイトをして生活しています。
海外での就労は単純にお金だけでなく、英語環境でのビジネスコミュニケーションスキルが身につくばかりか、異文化環境でのチームワークも養うことができ、“経験”という意味では非常に価値があるものです。
※学生ビザで一定期間の就労が許可される国もあります。
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最近、日本では「ついに日本人も海外に出稼ぎに行くようになった」という話題がマスコミによく取り上げられます。留学を検討している方、特に就労可能なワーキングホリデーを考えている人にとっては、気になる話題…
2-4. 海外における生活経験をより深いレベルで積める
フィリピン留学では、語学学校が全寮制で24時間体制のサポートを提供しており、安心感が非常に高いことが大きなメリットです。学校が滞在先や生活面を徹底的にサポートしてくれるため、留学中の生活におけるストレスが少なく、学習に集中できる環境が整っています。これにより、初めての海外生活でも不安を感じずに過ごすことができる点は、特に初心者や短期留学の学生にとって大きな魅力です。
しかし、見方を変えると、この手厚いサポートが過保護な環境とも言えます。学校が多くの問題を解決してくれるため、海外生活で直面する問題や課題を自分で解決する経験を積む機会が少なくなります。そのため、海外での自立的な生活スキルやトラブル対応力を身につけるチャンスが減るとも言えるでしょう。
一方で、欧米留学では、学校の役割は基本的に授業の提供に限られ、サポートスタッフは学校内の出来事にしか関与しません。放課後の生活のすべて(滞在先の問題、仕事探し、銀行口座の開設、スマホの導入など)は、自分で対応しなければなりません。もちろん、トラブルが発生した際にも、自ら解決する必要があります。このような環境は、最初は不安で大変なこともありますが、海外での生活に自分自身で立ち向かうことで人間的な成長を大いに促します。
欧米留学の大きな強みは、自らの力で海外生活を乗り越え、現地での課題に対応する経験を積めることです。このような経験は、将来的なキャリアや人生においても大きな財産となるでしょう。
※欧米留学において生活面でのサポートが必要な場合は、学校ではなく留学エージェントがサービスを提供しています。
3. 比較まとめ
フィリピン留学 | 欧米留学 | |
---|---|---|
授業形式 | マンツーマン 少人数グループ | 大人数グループ |
講師 | フィリピン人講師 ※一部ネイティブ講師 | ネイティブ講師 |
授業時間 | 1日8時間以上 | 1日4時間 |
学生の国籍 | アジア人が中心 | 世界各国 |
学生の英語力 | 初級者~中級者が多い | 初級~上級まで満遍なく在籍 |
滞在方式 | 学生寮・ホテル | ホームステイ・シェアハウス・学生寮 |
家事全般 | 食事、洗濯、掃除は学校にお任せ | 基本的に自分で行う |
学校のサポート | 学習面・生活面 | 学習面 |
通学時間 | 0分 | 20〜60分 |
就労 | ✕ | ◯ (ビザや国による) |
様々な海外経験 | 限定的 | 豊富 |
最も得られるもの | 英語力 | 異文化交流や海外経験 |
フィリピン留学と欧米留学のメリットの違いについて、いかがだったでしょうか。
留学に何を求めるかによって、選ぶ留学先は異なるため慎重に選ぶ必要がありますが、近年ではフィリピン留学と欧米留学のメリットを組み合わせた2カ国留学も人気があり、弊社でもお取り扱いしております。
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