フィリピン留学は、格安な費用でマンツーマンレッスンが受講でき、英語力も上がりやすいということから人気が高い留学地ではありますが、パーフェクトというわけではありません。
これまでにフィリピン留学をされた方のフィードバックを耳にすると、ほとんどの方は「行って良かった」と肯定的に評価されています。しかし、「別の国に留学した方がよかったかも」と後悔される人が少なからずいます。つまり、フィリピン留学が決定的にあわない人もいるのです。
こうなってしまう大きな要因として、フィリピン留学を他の欧米留学と比較する上で、単純に格安だからで選んでしまった、またフィリピン留学の特徴をよく調べていなかった点が挙げられます。留学に求めるものは人それぞれですが、求めていたものがフィリピンにはなかったと気づくと、後悔も大きなものになってしまうでしょう。
この記事では、フィリピン留学を選ばない方がよい人、その理由についても解説します。
1. 欧米人と友達になりたい人
海外留学というとイメージするのは、世界中の様々な国から訪れた学生に囲まれたスクールライフではないでしょうか。残念ながら留学時に多国籍なクラスメイトとの交流を目的の一つにしている人は、フィリピン留学はオススメできません。
そもそも、フィリピン留学に限らず、英語留学を行う人は、英語を学ぶ必要がある国の人です。つまり、母国語が英語であるアメリカ人やイギリス人、カナダ人、オーストラリア人、ニュージーランド人はいませんし、さらに英語と類似した言語を話すフランス人や、ドイツ人やイタリア人なども滅多にいません。
つまり、北米、西欧、オセアニアの人を含めた多国籍環境は無理な注文となり、語学学校に在籍しているのは大きく分けてアジア系、中東系、南米系、東欧系の4つと考えてください。
欧米留学であれば、これら4つの地域すべての学生が在籍している学校が多国籍と評価されますが、フィリピン留学ではアジア系 (日本人、韓国人、台湾人、中国人、ベトナム人) だけになってしまうことがほとんどです。アラブなど中東系やロシアなどの東欧系の学生が在籍している学校もありますが極めて少数です。そのため、見た目はあまり変わらない顔立ちの留学生が集まる環境になります。
これらのことから「世界中の人と交流したい!」ということを期待してフィリピン留学を選ぶと、アジア系の人しかいない環境 (先生もアジア系) に後悔してしまうかもしれません。
2. のんびり生活したい人
セブのビーチリゾートの写真を見て、「こんなところで、海を眺めながらのんびりと生活してみたい」と留学し、実際に留学すると朝から夕方まで続く授業の連続に疲れ果て、こんなはずじゃなかった…となる人がいます。
フィリピン留学の基本的なコンセプトは、「いかに効率よく英語を伸ばすか」であり、以下のような特徴を持つ学校が主流です。
- 欧米の2倍の豊富なレッスン時間
- マンツーマンによる効率のよい学習
- 全寮制で生活面でわずらわしい家事の時間がない
そのため、南国のリゾートから連想できる「のんびりとした生活」というものは語学学校では実現しずらいものになっています。
平日はレッスンと自習で精一杯の毎日になりますし、全寮制のために食事の時間は決まっていて門限がある学校も多いです。つまり、フィリピン留学は短期間で英語力を伸ばす合宿と言える場所で、リゾートホテルのような見た目の学校も、中身は熱心に英語学習を行う人が集う合宿所なわけです。
この中に、のんびり派の人が入ってしまえば、ただつらいだけの毎日になるのは間違いがありません。
3. ネイティブ信仰が強い人
フィリピンの公用語は英語で、大卒者など高い教育を受けたフィリピン人の英語力は間違いなく上級レベルと言える実力です。
アメリカの調査機関が非ネイティブ諸国のビジネス英語運用力を調査したところ、フィリピンが世界No.1に輝いたこともあるほどですので、これは実用性という観点から見ると間違いのない英語力があることを示しています。
しかし、フィリピン人は、アメリカ・イギリス・オーストラリア・カナダのような生まれた時から英語のみの環境で育ってきた英語ネイティブではありません。そのため、スラングやネイティブ特有の発音、スピード、かなり細かい自然な表現などを、フィリピン留学で学ぶことはできません。
その代わりに、フィリピン留学は「まずは日常生活で使えるレベルの英語を話し、聞き取れるようにする」ことが目標となる初級〜中級者にとっては、クリアで聞き取りやすい発音、分かりやすくて使いやすい表現をたくさん学べる留学地と言えるでしょう。
しかし、「ネイティブが話す英語こそ正しい」と強固に考える人もいます。英語教育の世界ではネイティブ信仰と呼ばれるものです。これは日本人が目指すべき英語話者の姿を、ネイティブのようになることと考えているわけです。目標としてネイティブの姿をすえることは問題はありませんが、「ネイティブのようになるためには、ネイティブから教わらなければならない」という認識にまでなっている人は、フィリピン留学は避けるべきです。これは英語を学ぶことに対する思想が決定的に違うためです。
また、既に英語での意思疎通ができる上級者が、ネイティブならではの発音やスラングを学びたいと考えてフィリピン留学をすると、物足りないと感じることは多いでしょう。
4. 集団生活が苦手な人
フィリピン留学は全寮制の学校がほとんどとなるため、学生寮の規則を遵守する必要があります。多くの学校では学習風紀を維持するために、門限があったり、学生寮内では飲酒禁止になるなどの規則があります。さらに、より厳しい規則の学校では自習が義務化されており出欠まで管理される場合もあるほどです。
そのため、30代以上の留学生にとっては「子供じゃないんだから」と窮屈に感じるかもしれません。学校にはレッスン以外の部分では干渉しないで欲しいと考える人には、フィリピン留学はオススメできません。
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5. 予定調和に物事が進まないと不愉快になる人
日本では時刻表通りに電車が到着し、レストランで注文したものは滞りなく手元に届き、タクシーに乗って行き先を告げれば後は寝ていても目的地に到着することが当たり前の社会に住んでいます。
その別の側面として、電車が遅れれば苛立ち、レストランで注文が間違っていれば腹を立て、タクシーでドライバーが道を知らなければ文句を言う人が出てきます。日本人はその後の展開が予定通りに起こる“予定調和”な社会に慣れ親しんでおり、それが正しいことと信じているため、それが乱された途端に不愉快になりやすいとも言えます。
しかし、世界中を見てもこの予定調和な社会は大変珍しいです。電車が遅れるのは当たり前、レストランで注文は忘れられ、タクシードライバーの知識は信用できないといったことは、海外では頻繁に起こります。だから自己主張を強くすることで問題を解決する手間が必要になるわけです。
フィリピンも同様に予定調和で事が進まないことはよく起こり、日本人の感覚だと「なんていい加減なんだ」と思ってしまうことでしょう。
海外で起こる、この予定調和に物事が進まない出来事に対して、不快感を表に出す人がいます。つまり、文化も感覚も違う外国人に対して「いい加減なことをするな!」「すぐにやれ!」と日本ルールを持ち出して断罪してしまうのです。このような人はフィリピン留学は絶対にやめておくべきです。
予定調和に物事が進まないことを、笑い話にしたり、視点を変えてむしろ良い部分だと考えたり、さらに日本の素晴らしさを再認識するきっかけにしたりできるような胆力がある人でないと、どの国であっても海外生活は難しいです。
6. 東南アジアの雰囲気が苦手な人
きれいな海のリゾートエリア、経済発展の勢いを感じる新興開発エリアといった地域が、フィリピンの光景としてアピールされますが、現地に行くと古くからの東南アジアのイメージである雑然とした街並みも目に付きます。
そのような雑然とした街並みを初めて目にすると、不安になってしまうのは仕方がないことです。しかし、多くの留学生は、母国とまったく異なる環境に興味深く関心を示すようになり、中高年の人はどこか懐かしさを覚えるとも言います。
しかし、それらを「汚い」「危なそう」などとネガティブにしかとらえらず、いつまでも不安が拭い去れない人は、フィリピン留学に向いていないのかもしれません。そもそも、東南アジアを旅先として選ぶことに抵抗感がある人が、無理してまでフィリピン留学を選ぶ必要はありません。
7. その他
その他に、フィリピンという土地柄、騒音、気候、治安面への不安などをデメリットに感じ、それを許容できない人もいます。下記のページを参考にしてください。
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留学は数ヶ月に渡り生活を続けることになるため、明らかに合わない場所に行くのはストレス以外の何物でもありません。フィリピン留学に対して懸念点があっても、打開策がある場合もあれば、もう別の国を選ぶしかない場合もあります。
自分には本当にフィリピン留学があっているのか、この点が心配というものがありましたら、お気軽にご相談ください。現地を知り尽くした経験豊富なスタッフが、あなたの留学にミスマッチが起こらないようカウンセリングさせて頂きます。