フィリピン留学を検討する上で、悩むポイントとしてお部屋のタイプがあります。
1人部屋と相部屋 (複数人部屋)のどちらにもメリット・デメリットがありますが、自分に合わない選択をしてしまうと毎日の生活で大きなストレスを抱え込むことがあるので慎重に選ぶ必要があります。また、妥協して選んだ部屋タイプが、結果的に良かったと思えることもあります。
この記事では1人部屋と相部屋で、各々にどのようなメリットとデメリットがあるのか?どんな点に注意が必要か解説します。
1人部屋の特徴
お部屋を完全に1人で使えるタイプとなり、プライバシーもしっかり守れるタイプになります。
細かい備品などは学校により異なりますが、下記の基本的な設備がついています。
- ベッド
- 勉強机
- 冷蔵庫
- クローゼット
- エアコン
- バスルーム (トイレ、シャワー、洗面台)
ごく一部の学校では、寝室は完全な個室で自分一人で使えますが、リビングとバスルームはもう一部屋ある寝室の学生さんと共有する2LDKの間取りを1人部屋としている場合もあります。
費用は最も高くなり、予算に余裕がある方や、プライベートの時間は1人でゆっくりしたいという方にオススメです。ちなみに、さらに高いグレードの設備で生活したい方向けに、外部のホテルに宿泊できるプランを設定している学校もあります。
メリット
1. 完全にプライバシーが守れる
フィリピン留学は全寮制なのでクラスメイトたちと同じ生活スタイルになりがちです。そのため、一人になる時間がなくストレスが溜まってしまうことも。一人の時間は絶対になくてはならないと考える方は、1人部屋が絶対となるでしょう。
2. 部屋で勉強に集中できる
英語力を伸ばすためには毎日のレッスンをしっかり復習することが大事ですが、1人部屋であればルームメイトの就寝時間や物音などを気にせずに勉強に集中できます。
デメリット
1. 留学が費用が高くなる。予約しづらい。
留学費用を大きく左右するポイントとして、このお部屋タイプによる影響は大きいです。1人部屋は快適さが保たれる分、費用は高くなります。格安のフィリピン留学のメリットを最大限いかしたいという方は相部屋をおすすめします。
また、多くの語学学校は1人部屋を数多く設定していません。そのため、早期に満室になることが多く、予約しづらいお部屋タイプになります。シーズンになると当初1人部屋を希望していた方が妥協して相部屋を選ぶことも多いです。
2.新しい友達ができにくい
フィリピン留学では入学日が同じたった“バッチメイト(batchmate)”と仲良くなり、一緒に行動する傾向が強いです。しかし、みなさん留学期間はまちまちなのため、留学期間が長い人はバッチメイトが先に卒業してしまうということが起こります。1人部屋の場合、バッチメイトとばかり一緒に行動してしまうと仲の良い友達がいなくなる事態に陥ってしまいます。
ルームメイトがいる相部屋の場合は、ルームメイトが入れ替わることから必然的に新しい友達でできることになります。さらにルームメイトのバッチメイトとの繋がりを作るのは容易いため、人間関係を広く保ちやすいです。
3. 引きこもりになる人がいる
授業がある平日はお部屋から出ますが、週末に「今日は疲れたな」「もう少し寝よう」となって気が付けば1日が終わってしまうということが起こりやすいのが1人部屋です。
相部屋だとルームメイトと一緒に出かけたり、会話することで気分転換にもなり、必然的に活動的になるのですが1人部屋の場合は自分で全てを決められる反面、意識をしないと引きこもりになっていたということも起こりえます。
相部屋 (複数人部屋)の特徴
ルームメイトとお部屋をシェアしますが、2人〜4人部屋の設定になっている学校が多く、まれに6人部屋がある学校もあります。4人部屋以上になると二段ベッドになることが多くなりますが、ベッドの上段か下段かを申し込み時に選択することはできません。
また設備は1人部屋と基本的に同じです。費用も安くなりルームメイトと一緒に楽しい生活が送ることができるため、10~20代の若い方に人気があります。
メリット
1. 留学費用を抑えられる
格安のフィリピン留学のメリットを一番享受しやすいのが相部屋です。家賃を割り勘にするイメージになるので4人部屋、6人部屋などを選ぶと1人部屋と比べて1ヶ月あたり4~6万円ほど安く抑えることもできるので、数ヶ月に渡る中長期の留学では20~30万円以上の費用を抑えることも可能です。
2. 友達を作りやすい
同じにお部屋で生活すれば自然と会話が生まれ、同じ目標をもつ仲間なので共通の話題も多くなります。さらにルームメイトのバッチメイトやクラスメイトと繋がることも容易く、学校内での人間関係もどんどん広がります。
また、ルームメイトが外国人学生であった場合は、必然的に英語で会話をする機会が増え、プライベートの時間でも英語環境に身を置くことができるメリットがあるのは留学の醍醐味とも言えるでしょう。
デメリット
1. ルームメイトと相性が悪いとストレスに
ルームメイトとは友達にもなりやすいのですが、相性が悪い場合は逆にストレス原因になってしまうこともあります。例えば、部屋の使い方が汚いという衛生観念の違い、勉強に対する意識の違い、生活音の大きさの違いといったものは一度意識してしまうと不愉快で仕方がないという人もいることでしょう。
ただし、ここで注意したいのは、外国人学生がルームメイトになった場合の文化の違いによるトラブルです。
例えば、
- 文房具を無断で使われた
- お菓子を勝手に食べられた
- ベッドをくっつけてくる
これらは、モラルがないわけでなく、相手の国の文化が異なるためです。断りもなくで私物を使われたりするのは「仲良くなった人に断りを入れるのは失礼」という文化による場合があり、ベッドをくっつけてくるのは「(同性であっても)仲が良い証拠」という文化による場合があるためです。自国の文化が他国では通用しないことに気づかないのは仕方がないことなので、我慢できないことは相手と話し合うことで誤解のない関係を構築しましょう。これは異文化理解のきっかけにもなり有益な行為です。
しかし、あまりに相性が悪い場合などは学校スタッフに伝えると、部屋を変更してもらえることがあります(空き部屋がある場合に限られる)。相部屋ではお互い譲り合うこと、寛容な気持ちでいることは必須な要素になってくるため、ストレスなくマイペースに生活したい方は1人部屋をオススメします。
2. 部屋で集中して自習ができないことがある
留学で成果を上げるには、レッスンで学んだことを復習する自習時間が非常に重要になってきます。しかし、ルームメイトがいるとついつい雑談になってしまう、物音が気になって勉強に集中できないということもあります。また、ルームメイトが早く寝てしまうとに消灯せざるをえなくなり、もっと勉強したいのにということも起こり得ます。ただし、ほとんどの学校には夜間も使える自習室があるため、問題の解決はできるポイントではあります。
3. 貴重品管理が面倒
相部屋は常に自分以外の人が部屋にいることになるので、貴重品の管理に気を使う必要があります。
「机の上に置いてあった現金がなくなった」といった盗難事件は、極めて稀ですが発生しています。お部屋の中には監視カメラはないので、ルームメイトがやったのか部屋に侵入した人がいるのかなどの明確な証拠もないため、結局泣き寝入りするしかないケースがほとんどです。最悪なのは明確な証拠もないにも関わらず、ルームメイトや学校スタッフなどに疑いの目を向けてしまい人間関係が壊れてしまうことです。
共同生活で大事なことは、魔を差さないことも大事ですが、魔を差させないことも大事です。お部屋に金庫や施錠できるクローゼットがある場合はそれを必ず使用し、そのような設備がない場合でもスーツケースに貴重品を入れて施錠するといった習慣を身につけましょう。
ご希望の部屋タイプを確保するために
フィリピン留学は全寮制のためお部屋が満室になると入学自体ができなくなってしまいます。
特に大学生や高校生の夏休み(8月)と春休み(2~3月)はピークシーズンとなり、半年ほど前から満室になる部屋タイプが出てきます。さらに、人気が高い学校となると閑散期であっても半年前から満室ということがあります。
特に人気が高いのは、プライバシーを重視する方が必須条件とする1人部屋と、価格重視の方が選ぶ最安の相部屋(4人部屋や6人部屋)です。このいずれかに強い希望がある方は、お早めに検討するようにしてください。
フィリピン留学のお部屋の人数について、いかがだったでしょうか。
お部屋の間取りや設備内容は学校によって異なります。不明点やこだわりのポイントがある場合など、お気軽にお問い合わせください。