近年では大学を休学して留学する学生が目に見えて増えてきました。
以前は中長期の語学留学やワーキングホリデーは大学卒業後に行う人が多かったのですが、その流れが大きく変化したと言えます。様々な理由がありますが、最も大きな理由は休学費用が非常に安くなったということ挙げられます。
従来、休学費用は授業料の5割~8割を支払わなければならないなど高額な出費が求められました。しかし、2013年に文部科学省より海外挑戦を支援する奨学金制度ができ、大学でも学外での活動を支援する目的から、休学費用を大幅に引き下げる動きが広がりました。
現在の休学費用は国立大学では無料、私立大学でも数万円ほどになり、休学してのチャレンジへの障壁の一つとなっていた金銭的理由がなくなったと言えるでしょう。
しかし、休学しての海外留学となると、様々な点で不安が付きまといます。この記事では休学して留学において抱きやすい不安について、そして気をつけるポイントについて解説します。
1. 留学して英語力が上がらなかったら…
休学しての留学は周りから一学年遅れてしまうなどリスクも伴います。そのため、大きな成果を確実に残したいと気負いする人も多いです。
1-1. 英語力が実用レベルまで伸びない人はいない
「留学したのに英語力が上がらなかった」という意見をインターネット等で目にすると、不安になってしまうのではないでしょうか。
しかし、数ヶ月から一年に渡るような留学やワーキングホリデーで英語力が上がらないケースは、語学のセンスがなかったとか、学校の教え方が悪かったということではまず起こりません。実際は勉強方法や、事前の準備、そして留学中の努力量に問題を抱えているケースがほとんどです。
もちろん、ネイティブ同等の英語力を身につけるには、センスや並々ならぬ努力が必要になります。しかし、ほとんどの英語学習者が求めている英語を使用する職場への就職や転職、海外転勤、異文化交流で必要になる英語力は、実はそれほど高いレベルではありません。
外資系転職のコンサルタントによると日本にある外資系企業は英語力を採用基準の一つとしていますが、TOEIC600以上で評価対象つまり選考対象になることが多いのです。このレベルの英語力は才能のあるなしに関わらず、地道な努力をしていれば誰もが到達できるレベルです。
2. 英語が話せないままの人はいるが…
英語教育業界に15年以上携わり、数千人の留学生をサポートしてきた私の経験上、地道な勉強をしていたのに英語力が上がらなかった人を見たことがありません。
しかし、その一方で「語学学校に行ったけど効果がなかった」「ワーキングホリデーで一年過ごしたけど英語は話せないままだった」と主張する人もいます。
そのような人に深く話を聞いてみると、「学校の授業に出ていただけ」「自習をしない」「英語を使う環境を作らない」「日本語で生活していた」と、明らかに英語の勉強などしていません。「英語の国に行けば自然と英語が話せるようになる」という根拠のない思い込みにすがって勉強を怠けていた結果なのです。
誤った認識で留学生活をスタートさせてしまえば、その結果は残念なものになりがちです。そのため、英語学習に対して陥りがちな誤った認識は反面教師としてしっかり知っておき、心構えを作っておくとよいでしょう。
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2. 就職活動に不利になるのではないか?
休学して留学をする理由として、就職に役立てたいと考える人も多いのではないでしょうか。しかし、休学して一年遅れになることで就職活動で不利になるのではないかと心配になる人もいることでしょう。
2-1. 得るものがあれば不利どころか有利になる
インターネットや周りの人達、特に両親など年上の人から「休学して留学すると就職活動が不利になる」という話を耳にしたことがあるかもしれません。しかし、このような考えは認識としては時代遅れです。
企業や大学の担当者とお話することがありますが、企業は昔のように休学という言葉にネガティブな印象は持っていません。休学により周囲より1~2年卒業が遅れようが得てきたものが大きいならば高い評価をするようになっています。
就職の際に問われるポイントは、留学により何を得てきたのかです。
- どれほどの英語力が身についたのか
- どのような海外経験をしたのか
もちろん、留学中に大して勉強もせず、ついつい遊んでいて目に見える成果を残せなければ、企業からは「休学してまで楽しい海外旅行をしていた人」という評価になってしまいます。
そのため、この2つを必ず身につけることをマストと考えて留学の計画を立てることを忘れないようにしましょう。
2-2. 新卒が狙うべき英語力はTOEIC600
留学で身につけた英語力を企業等に評価してもらうためには、必ず英語力を数値化する作業を行いましょう。
日本においてはTOEICを利用するのが、最もポピュラーな方法です。しかし、「TOEICは日本でしか通用しない」とか「SpeakingとWritingがないから本当に英語が話せるか分からない」といった批判もあります。
もちろん、聞く・話す・読む・書くの英語力全般を正確に知りたいのであればその通りですが、ここでTOEICを勧めるのは「就職で有利に立つため」です。
- 多くの企業の人事担当者が、スコアから英語力をイメージしやすい
他の検定の場合、そのスコアがどの程度の英語力かを知っている人はあまりいません。 - アメリカ系企業の日本支社においてもTOEICは採用されている
日本で就職するのであれば最もTOEICが汎用性があると言えます。 - 問われる分野が限定的なため、学習に投下した時間に対してハイスコアを獲得しやすい
他の検定の場合、SpeakingとWritingのスキルを伸ばすために学習時間はさらに必要となります。
特にアメリカ系企業の日本支社が求めてくる英語力は高い傾向がありますが、まずはTOEIC600が最低ラインになります。このTOEIC600は営業職や技術職であれば、履歴書に書くことができ評価される対象となりますが、大学新卒者においても同様です。
このため、目標とするTOEICスコアは最低600とするようにしましょう。
TOEIC600は英語が得意と胸を張れるレベルではないかもしれませんが、企業側からすれば大卒時点でその程度の英語力があれば、その後の学習によって高い英語力に達するポテンシャルがあると判断されるからです。
また、上級者と言えるTOEIC800以上のスコアに到達できれば、さらに有利に評価されます。将来的に外資系企業でも幹部候補としてみられることも珍しくありません。
日本ではまだまだ英語を使える人材が不足しており、外資系企業ですら流暢に英語を話せる人ばかりというわけではありません。そのため、英語力がより高く評価される社会とも言えるため、英語力向上に力を割くことは費用対効果の高い投資になります。
2-3. 留学で積むべき経験とは?
休学しての留学にて、評価対象となるもう一つの要素は“海外経験”です。
日本では経験できない異文化理解や交流、そして勝手の異なる海外で生き抜くことで培われるバイタリティなど、海外経験は人間としての成長を促してくれます。留学したことで、人が変わったかのように積極的な人生を歩み始める人もいるほど海外での経験は強烈なインパクトがあるのです。
国によって異なる海外経験
フィリピン留学
英語学習に集中する環境づくりのために、至れり尽くせりの全寮制になるため、生活を送る上でそれほど苦労することはありません。しかし、一歩学校外に出れば、日本とはまったく異なる発展途上国の姿に心動かされる人は多いです。
オーストラリアやカナダなどの欧米留学
世界中から訪れる外国人と学校生活、シェアハウスなどでの共同生活、仕事、プライベートでの交流を通して得るものがたくさんあります。そしてフィリピン留学と異なる、周りからの手助けが少ない環境で自分の力で生き抜くことで身につくバイタリティはより大きなものになります。
日本人は控えめな性格の人が多く、さらに英語でのコミュニケーションとなると、その傾向が強くなります。これは日本の美徳でもあり良いところでもありますが、海外でその考えは通用せず、都合よく利用されてしまったり、能力を低く評価されてしまうことに繋がります。
そのような海外環境で、苦労しつつも問題解決したり、乗り越えたという経験こそが成長につながり、就職活動で評価されるストーリーになるのです。
2-4. 充実した海外経験が得られるプランとは?
フィリピン留学
貧困問題に関わるボランティア活動は多くの語学学校や現地のボランティア団体を通じて行うことができ、留学中に参加する大学生は多いです。
また、ある程度英語力がある人であれば語学学校にインターンとして採用されると、海外での就労経験を積みながら英語を学ぶことができます。
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欧米留学
右も左も分からない国で自力で物事を解決していくこと、そして文化の異なる人との交流といった普段の生活そのものが海外経験として人間的に成長させてくれます。
また、英語だけでなく様々な職業で使われるスキルを学んだり、現地で英語環境&多国籍な環境で働くことによって得られる経験も魅力的です。
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2カ国留学
単純に英語力を身につけるのであれば、フィリピン留学で目的は果たせますが、やはり濃密な海外経験となると欧米留学が勝ります。そのため、フィリピンと欧米を組み合わせる2カ国留学によって、高い英語力と濃密な海外経験の二つを得るという発想が生まれてきます。どちらも重視したい休学しての留学では、この2カ国留学は人気のプランになっています。
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長い歴史と実績が圧倒的に違います。 成果が上がる留学 MTSCは、1996年からオーストラリア留学を、2009年からフィリピン留学を取り扱い2カ国留学をお取り扱いしてきました。これまでに1…
3. 大学を休学して留学するメリット
3-1. 新卒の資格を失わない
まだ日本では大手企業をはじめ多くの企業で新卒一括採用が行われています。この新卒資格を失うことは就職活動の際に選択肢を狭めてしまうことになります。しかし、休学であれば新卒資格を失うことがなく、長期の海外留学が実現できます。
3-2. 将来の選択肢が広がる
留学では日本では交流することがない学生たち (年齢、職業、国籍、キャラクターなど) と同じ立場で交流することになります。海外では同じ日本人という、たったそれだけの理由で繋がるきっかけになるためです。
- こんな仕事もあるのか
- こんな価値観もあるのか
- そういう人生の選択もあるのか
自分と全く異なる人との交流によって、今まで自分の中になかった考え方や選択肢が生まれてくることがあります。大学生に限った話ではありませんが、「こういうものだ」という観念で人生を歩んでいる人は多いです。しかし、たった一人の自分と重ならない人との出会いによって、刺激や気づきがあることで人生が大きく転換することも珍しくありません。
また、フィリピンやオーストラリア、カナダなどの欧米諸国に長い期間過ごすことで、その土地のことを深く理解したり、地元の人とのコネクションが生まれます。このきっかけによって、将来の移住、転職、起業など、海外でのチャレンジの舞台になることもあります。
縁もゆかりもない土地へ行くことは、なかなかハードルが高いですが、一度住んだことがあったり、知り合いがいるというのは大きなアクションを起こす時に後押ししてくれる要因になります。
3-3. 就職で有利になる
留学を通して、 身につけた高い英語力や海外経験は、就職活動時に評価されるストーリーとして有効です。多くの日本人にとって海外は不安がつきまとい一歩踏み出すことに躊躇する場所です。その場所で生き抜いた海外経験は多くの人にとって憧れるものであり、評価したくなるものなのです。
休学しての海外留学について、いかがだったでしょうか。
より詳しく知りになりたい方は、お気軽にフォームもしくはLINEよりお問い合わせください。また、随時オンライン留学説明会も行っておりますので、是非ご参加ください。
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