どのようにお金を持っていくのがよいのでしょうか?よくご相談を受ける質問の一つです。
- 現金は盗まれたり紛失するのが心配
- クレジットカードがどの程度使えるか分からない
盗難や紛失のリスクを最低限にしつつ、便利さを失わないためには、どのような方法でお金を管理すればよいのでしょうか?現地事情を踏まえて解説します。
1. 現金
フィリピンでは日本円を直接フィリピン・ペソに両替できます。両替レートを考慮すると、一番お得(両替で目減りしない)な方法と言えるでしょう。
しかし、大きなデメリットもあり、滞在期間が長いと大きな金額の日本円を持っていかなければならず、盗難されないように気を使うことになることです。
1ヶ月以内の短期留学であれば、すべて現金でも問題は生じにくいですが、それ以上は一部に留めて後述のカード類も利用できるようにしましょう。
現金の管理方法 滞在中、現金は使う分だけを持ち歩くようにしましょう。 使わない分は、自分しか開けることができない金庫に入れておくのが安全です。金庫がない場合は、スーツケースに入れて必ず施錠する癖を身につけましょう。1人部屋であっても、清掃やメンテナンスに人が立ち入ることがあります。現金を施錠なしの場所に保管するのはリスクがあるので絶対にやめてください。
2. クレジットカード
万が一の盗難時に補償もあり、さらに海外旅行保険が無料で付いてくるカードもあるため、海外渡航には是非準備したいところです。
フィリピンでは大型ショッピングモールや外国人が出入りするレストランでは、キャッシュレス利用ができます。とはいえ、日本に比べるとまだまだ使える場所は限られています。
もう一つの使い方は、海外のATMから現地通貨を引き出すキャッシングです。利用額は銀行口座から後日引き落とされます。日本でキャッシングと言うと借金そのものですから使わない方が多いですが、海外渡航の時だけは安全なお金の管理方法として使用する方は多いです。
キャッシング機能の注意点 キャッシングは高い金利が発生します。すぐに全額返済されるようにカードの利用設定をするようにしておきましょう。
お勧めの国際ブランド 海外で利用できる店舗が多いVISAやMastercardブランドがお勧めです。JCBは利用店舗数で劣りますが、キャッシング機能のみを使用するのであれば問題ありません。
海外に行く際のお金は、現金やクレジットカード、国際キャッシュカードなど様々な選択肢があります。その…
海外に行く際のお金は、現金やクレジットカード、国際キャッシュカードなど様々な選択肢があります。その中でも安全性や利便性に優れ、さらに海外旅行保険などの付加価値も充実しているのがクレジットカードです。…
3. 国際キャッシュカード
海外のATMにて、現地通貨を引き出すことができるカードの総称です。
クレジットカードとの違いは、利用額は日本円換算されて銀行口座から即時引き落とされます。また、このタイプのカードを発行できる銀行口座を開設すればよいため審査がありません。 お勧め ・クレジットカードを作れない年齢の方(例:高校生) ・クレジットカードでキャッシング枠が付与されない方(例:大学生) ・保護者から国際キャッシュカードを通じて仕送りを受けたい方
3-1. VISAデビット / デビットMastercard / JCBデビット
海外のATMで現金を引き出す国際キャッシング機能に加えて、クレジットカードと同じく店舗でキャッシュレスで支払うことができます。
※J-Debit (ジェーデビット)は日本でのみ使用できるデビットカードです。海外で使えるものは必ずVISAやMastercardのロゴがあります。
3-2. 国際キャッシュカード
海外のATMで現地通貨を引き出すことができますが、キャッシュレス決済機能がありません。
4. 現地のATMを信用しきらないこと
現地には市内の至るところにATMが設置されています。一部の銀行のATMを除き、クレジットカードや国際キャッシュカードの利用が可能です。しかし、注意も必要です。
4-1. 安全なATMを使用する
日本では屋外にATMが置かれていることはありませんが、海外では歩道脇の建物の壁にATMが設置されていることがあります。このようなATMはセキュリティがいまいちのため、強盗やひったくりなどの被害に遭う可能性が高まります。必ず銀行や商業施設の屋内や敷地内にあるATMを利用しましょう。
4-2. スキミング犯罪に注意
カードを差し込むところに何か機器が取り付けられていた場合は、スキミング被害に遭うかもしれないため、そのATMは利用しない方が安心です。万が一、不正利用が行われてしまった場合は、すぐにカード会社に連絡をしてください。
4-3. カードが利用できない場合がある
お持ちのカードが海外で利用できる設定になっていなかったり、カード会社より不正利用と勘違いされ、カードが利用できないことがあります。また、フィリピンのATMは、ATM内の現金不足により引き出しができないことがあります。
4-4. ATMに長い行列ができる日がある
フィリピンは日本に比べてキャッシュレス決済が普及していません。そのため、給料日になるとATMに現金を引き出す人が殺到し、長い行列ができてしまいます。さらに、多くの人の現金引き出しに耐えられず、ATM内の現金が空っぽになってしまうこともあります。そのため、給料日前には現金を準備しておくようにしてください。
5. 一つの方法に頼り切らないことが大事
現金・カードの両方を使えるようにしておくのが利便性と安全性のバランスが取れた考え方になります。さらに前述の通り、カード利用の信用度が低いため、カードも1枚に頼り切らずに予備も準備しておくのがよいでしょう。