2023年夏に、航空券の準備において「30日以内出国チケット」が不要になったという情報がフィリピン留学業界をかけ巡りました。5週以上の留学をする人にとっては、大変嬉しい情報なのですが、何の話なのか理解できない人も多いことでしょう。
フィリピンの入国制度について、特にビザについては曖昧な点が多く、正しく理解している人は意外と少ないです。この記事では入国制度のおさらいと、入国に関わる航空券について解説します。
1. 入国制度についてのおさらい
フィリピンの入国条件として大使館のWEBページ等には、下記のことが明記されています。
- 有効な往復航空券または、第三国へ出国する航空券を所持していること。
- パスポートの有効期限が滞在日数+6ヶ月以上であること。
そして、日本国籍者のビザについては下記のようになっています。
- 事前ビザは不要で入国でき、最大30日間滞在できる
- 事前ビザなしで入国した後、31日以上の滞在を希望する場合は現地でビザの延長が必要
この条件を読むと、4週以下のフィリピン留学では 1 の規定で滞在でき、5週以上の留学では 2 の規定で滞在することになります。
2. 予約変更か捨てチケットの準備
滞在31日以上 (5週以上の留学)の場合、1の規定を用いて入国した後に2の規定を当てはめることになるため、1の規定に適合するように以下のいずれかの形で航空券を準備する必要がありました。
- 出国便のチケットを30日以内で予約し、入国後に本来の日付に予約変更する。
- 出国便チケットを本来の日付で予約し、それと別に“30日以内に出国する実際には利用しない捨てチケット”を準備する。
出国便の予約変更する場合は変更手数料が7,000円～10,000円くらいかかり、電話や窓口へ行く手間もかかります。捨てチケットは実際に搭乗しないため、格安航空会社(LCC)の最安値のチケットでOKでしたが、それでも数千円の余計な出費が必要です。
しかし、現実にはこの準備をしなくとも入国できるケースがほとんどでしたが、一部の航空会社ではこの準備をしていない予約客を搭乗させない対応をとったこともあり、万が一に備えた保険の意味合いでこの準備をするよう案内が行われていました。
3. 30日以内出国の準備が不要との情報
2023年夏に現地の語学学校が移民局に確認をとったところ、「30日以内にフィリピンを出国する航空券を所持していなくても、現地でビザ延長をする場合は入国を認める」との回答がありました。
出費と手間を抑えられることになりますので、留学生には嬉しい情報です。
4. 入学許可証は必ず持っていくこと
「現地でビザを延長することが条件」のため、その用意があることを証明しなければなりません。
もし、入国審査官によってビザを延長するか疑わしいと判断されると入国拒否される恐れがあります。
また、出発空港のチェックインにて、各航空会社は乗客が渡航先の入国条件を満たしているかを確認する予備審査を行っていますが、この際に入国拒否される恐れがあると判断されると搭乗を断られる恐れがあります。
そのため、入学する学校より発行される英文で記載された入学許可証を、必ずプリントアウトして携帯してください。この書類があることで正当な渡航目的と滞在先があり、現地でのビザ延長を行う用意があることを証明できます。
5. ルールの運用は変わるので注意
フィリピンでは入国を管理する移民局の裁量で、ルールの運用が変わることがあります。これは公式に発表されたり、明文化されていないために、今後どのような厳しさでルールが運用されているかは判断に苦しむ部分があります。
また、過去には航空会社のチェックイン時に行われる予備審査においても、航空会社によって入国条件の判断が異なるということが起きています。
そのため、弊社においても現地からの最新情報をもとに案内を行っておりますが、今後いつでも入国条件に変更があるかもしれない点は注意が必要です。
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参照リンク
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Embassy of the Republic of the Philippines
