語学学校を選ぶ際に、「同じ英語を学ぶのに、なぜ学校によってこんなに価格が異なるのだろう」と疑問に感じたことはないでしょうか。
一度きりの留学だからと思い切って価格が高い学校を選ぶ人もいれば、予算の都合で妥協して格安校を選ぶ人もいます。しかし、高いから良い学校、安いから質の悪い学校と漠然と考えている人も多いのではないでしょうか。
この記事では、格安校がなぜ格安な費用を設定できるのか、そして高価格帯の学校を選ぶことが必ずしも満足度に結びつくのかについて、業界歴10年以上で学校での勤務経験もあるベテランスタッフがお答えします!
1. 格安校が費用を安くできる理由
1-1. 設備がシンプル
フィリピン留学において最も価格差が生じるポイントは、学校の設備の差といっても過言ではないでしょう。
高価格帯の学校
建物が立派で規模が大きく、雰囲気のよいプール、おしゃれなカフェ、充実のスポーツジムなど、必ず設備面に優れているという特徴があります。
設備は目に見えるもののため、学生に魅力として伝わりやすいポイントです。そのため、従来は平均的な人気だった学校が設備に優れる新キャンパスをオープンさせると、爆発的な人気になることが多々あります。人気が高くなれば価格も当然引き上げられ、費用が高めの学校になるわけです。
このため、歴史があり資本力の大きい韓国資本の語学学校は、設備強化に莫大なコストを支払っており、近年新キャンパスをオープンさせた学校はどこも予約がとりづらい超人気校になっています。
格安の学校
建物は小規模で、あまり立派ではない、もしくは古さを感じさせる外観であることが多いです。
保有する設備も、教室・事務所・食堂・学生寮といった最低限で、ゆったりくつろげるラウンジや屋外休憩スペース、スポーツジムなどのスポーツ施設はない、もしくは小規模です。
学生寮のお部屋も、極めてシンプルで、特におしゃれな雰囲気もないという印象を受けます。教室や学生寮のお部屋に置かれている椅子や机などの調度品も、プラスチック製など安価なものであることが多いです。決して使いづらいことはありませんが、インテリアの美観は割り切っていると言えるでしょう。
1-2. 郊外や地方都市にある
学校が所在する都市の規模によって、家賃や人件費、その他物価に大きな影響を与えます。そのため、高層ビルがあるような大都市ほど、学校の運営コストは大きなものになります。
さらに同じ都市であっても、オフィスビルが集まる中心市街地、住宅地、郊外では家賃に差が生じます。例えば、セブエリアでも、最も発展しているセブ市中心部と、まだまだ空き地も目につくマクタン郊外では、コストが異なるわけです。
一方、地方都市になると運営コストをかなり下げることができます。地方になると人材確保に難があると思われがちですが、語学学校が作られる地方都市はどれも名門大学など教育機関が多く、優秀な英語講師を獲得する源になっています。
各都市と価格帯の関係
都市 | 価格帯 |
---|---|
セブ、マニラ | 高め |
クラーク、スービック | 平均 |
バギオ、イロイロ、バコロド | 安め |
1-3. 非正規雇用の講師がほとんどであることも (一部学校)
語学学校の講師にも、正社員と非正規雇用の講師(アルバイト)がいますが、学生が非常に多くなる夏休みや春休みになると、多くの学校では期間限定のアルバイト講師を採用することが多くなります。
しかし、必ずしも非正規雇用の講師が在籍していることが悪いということではなく、正社員がメインで補助的にアルバイト講師がいるのか、主力が非正規雇用の講師なのかでは、教育品質に影響を与える懸念があります。
日本でも同じですが、正社員として雇用するのは企業にとって高コスト体質になり一定のリスクも抱え込むことになります。
- 長期的な人材育成にコストがかかる
- 学生が少ない閑散期でも雇用し続けなければならない
- 社会保険の負担が必要
このため、最低限の正社員しか雇わず、ほとんどの講師をアルバイトとすることで、コストを引き下げる学校も出てきます。しかし、アルバイト講師が多くなってしまうと、以下のような問題が生じることになります。
- そもそもの講師としての経験が少ない
- 学校のカリキュラムや使用教材への理解が不足している
- 他に良い条件の仕事があるとすぐ辞めてしまう
格安な価格を実現するために、講師の質を落としてしまっては元も子もありません。極めて一部の格安校に限った話になりますが、学校を選ぶ際には注意が必要です。
2. 高価格帯の学校が自分に合っているとは限らない
高価格な学校ほど、設備面で優れており、また立地も良いなどメリットは多いため、老若男女問わず満足度が高い傾向はあります。一方、格安校に行くと満足度が低くなってしまうのか、我慢が必要なのかと言うと、まったくそうでもありません。
2-1. 使わない設備はないのと同じ
立派なスイミングプール、スポーツジムは写真映えしますが、まったく使わない人、1回だけ使ったという人が多数派になるのが現実です。都市部であればカフェも近所におしゃれで美味しいお店があるという立地であることが多く、学校のカフェを滅多に使わない人もいます。
つまり、設備が充実した高価格帯の学校に行くと、使わない設備に費用を払っているということも起こりうるのです。無駄遣いをしないためには、自分にとって何が必要な設備なのかはしっかりと考える必要があるということです。
2-2. どこに住むかより、誰と住むか
感覚的な印象論で「便利な立地の方がよいだろう」と考える人は多いことでしょう。住んだこともない海外、さらに発展途上国であることから、より安心を得るために利便性が確かな環境を求めたくなる気持ちはよく分かります。
しかし、外国人が集まる語学学校で、あまりにも不便過ぎる立地で学校が作られることは滅多にありません。語学学校がある場所はフィリピン全土に広がっておらず、限られた都市のさらに限られた地区を選んで設立されています。これはアクセス、利便性、治安などを総合的に考えると自ずと同じような場所に学校が作られるためです。
また、どの土地に行っても、その土地の楽しみは見つけ出すことができます。のどかに海や山を眺めながらの生活は贅沢な時間ですし、トライシクルやジプニーといったローカルな乗り物に揺られる体験は、ただの移動なのに刺激的です。
そして、何より満足度に大きな影響を与える要素は、“仲の良い友達と過ごす時間”です。特に大学生など若い年代になると、外出したところで使えるお金に余裕はありませんが、学校内で友達と楽しく話しているだけで何時間も時が過ぎていきます。どんなに快適な環境で生活できても、気の合う友達ができなければ、この思い出を作ることができないのです。
また、便利とは言えない立地の学校だったが故に、学校内に多くの学生が留まることになり、交流に花が咲くこともあります。一方、便利な立地の学校では放課後や休日になると、みなさん出かけてしまい学校内が閑散としてしまうということもあり、人との接点を新たなに作るチャンスが意外と少なかったということも起こりうるのです。
2-3. 格安校だからといってサービス品質が低い訳ではない
講師の質といった教育面の品質は、価格に比例しているとは一概には言えません。格安校でも設備などのハード面はあまり立派ではない代わりに、講師のトレーニングなどのソフト面に力を入れている学校はいくつもあります。
そして、格安校は中小規模の学校に多い傾向がありますが、このような学校の魅力は「アットホームな居心地の良さ」であることが多いです。学生同士の距離、学生と講師・スタッフとの距離が近いことが多く、交流面でより良い思い出を作りやすい環境になることでしょう。
また、学生数が少ないために困った時のサポートも迅速であったり、オーナー自らが現場に出て問題をスピーディーに解決していくなど意外なメリットがあるのも規模が小さい学校の魅力です。
格安校と高価格帯の学校との違いについて、いかがだったでしょうか。
高いから良いというシンプルな話ではなく、自分が学校や留学生活に何を求めているかによって、選ぶ学校が異なり、その結果として価格帯が変わってくるとお考えください。
成果が上がる留学では、どこよりも詳しい知識と豊富な経験をもとにプロの目線から失敗のない留学プランをご提案します。どんな質問やご相談、資料のご要望でも構いませんので、お気軽にお問い合わせください。